犬が苦しそうに咳こむ、咳がなかなか止まらない、咳を繰り返す場合、喘息の可能性があります。咳の原因は多くありますが、喘息はほかの咳と何が違うのでしょうか?
なかなか治まらない咳について、原因や治療方法、対処法について解説します。ぜひ参考にしてくださいね。
犬の咳が出る原因は?
犬の咳は人の「コンコン」といった咳と聞こえ方が少し異なり、何か吐きだそうとするような「ケッケッ、カハッ」というように聞こえます。このような咳が出る原因は大体6つの原因にわかれます。
■気管支炎
ウイルスや細菌が気管に感染することで起こる病気で、咳がおもな症状になります。まれに、寄生虫や真菌が原因になることがあります。
■ケンネルコフ
犬伝染性気管炎とも呼ばれ、子犬の間で流行する咳を主な症状にする伝染力の強い病気です。
原因としては、パラインフルエンザ、犬アデノウイルスⅡ型、ボルデテラ、細菌などの単独感染または混合感染があります。
とはいえ、ケンネルコフはワクチンで予防できるとされています。
■肺炎
呼吸器への細菌やウイルスの感染がこじれてしまい肺炎を起こすことがあります。
ウイルスが引き起こす肺炎ではジステンパーが恐れられています。ジステンパーウイルスに感染した場合は、呼吸困難や発熱、咳が治まりにくいなどの症状が起こります。呼吸困難がひどい場合は酸素室での入院が必要になることもあります。
■心臓病
僧帽弁閉鎖不全症などの心臓病を抱えると、心臓の症状の進行に伴い咳がひどく出るようになることがあります。肺水腫などが原因になり呼吸困難を引き起こすと、チアノーゼが起こり酸素欠乏から発作を起こし倒れることも。
■気管虚脱
気管虚脱は気管自体が弱くなり、呼吸をする際に気管がへしゃげたようになり呼吸が苦しくなります。ガチョウの鳴き声のような咳が出ることが特徴です。
小型犬に多く、症状が悪化すると呼吸困難から酸素欠乏状態になることがあります。
喘息
喘息とは感染が原因になって起こる咳症状ではなく、アレルギーが関係して起こる咳です。ハウスダストや花粉などのアレルゲンに反応することで咳がでます。
不定期なタイミングで突発的に咳が出て、その症状が徐々に重くなる場合は喘息を疑います。
犬の喘息とは
犬の喘息は細菌やウイルスなどの呼吸器への感染が原因になるのではなく、何らかのアレルゲンに対するアレルギー反応である場合がほとんどです。
そのため、徐々に症状がひどくなる傾向があり、重症化すると呼吸困難からチアノーゼが起こり、低酸素血症を起こす可能性が高いです。感染による咳とは治療方法が異なるため、よく調べて判別することが大切になります。
■喘息はどのようにして起こるのか
喘息はハウスダストや花粉などに反応して起こるアレルギー反応です。気管の粘膜がこのような物質に対してアレルギー反応を起こすと気道(気管や気管支)の粘膜にリンパ球や好酸球が集まり、喘息が起こっていないときにも炎症を起こした状態になります。
そのため、少しでも刺激が加わると気管の筋肉がけいれんを起こし気道が狭くなり呼吸困難が起こります。
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